32本!!


2009年1月19日 今日は県立がんセンターへ2泊3日の検査入院日だ
前回の独協医大での拷問的激痛を思いだすと、やはり こ ・わ・ い

一日目は検査の説明、採血 位で他にはやる事も無いので、
病院5階 にある展望風呂に入ってみる  清潔且つ、適度な湯温度
(病人を考慮してだろう)温泉好きな僕にとって思いがけない癒しの
時間となった この温泉に隣して空中庭園があり、北は那須連邦、
男体山、南は富士山まで360度の眺望が楽しめる 栃木県はいい
お金の使い方をしたと思う 2日目は手術室で主治医の先生から生検
を受けた始めて入る手術室、今までの外来とは全く異なる張り詰めた
空気が漂う天井にはベン・ケーシーのオープニング映像の如く、ライト
類が並びスタッフ全員がチームバチスタそのものの手術着にて待ち受け
ている検査そのものは至って簡単で先生と雑談を交えている内に終了、
全くと言っていいほど痛みは感じませんでした 
前回の激痛は何だったんだろう それにしても前回20本 今回12本
合計32本を33CC大の前立腺に打ち込んだ事になる 蜂の巣状になった
前立腺をイメージすると股間が痛み出した・・・やめよう!  
友人達にも生検について説明する時、皆 「嘘だろう!」 
「やめてくれーーー想像しただけでぞっする!」 と同じ反応が返って来る
其れほどまでに男性にとって股間(蟻の門渡り)は
急所というものなのである

迷い


セカンドオピニオンとして選んだのは
県立ガンセンターだった。
先ず第一印象は 他の総合病院に比べて静かで
落ち着いた雰囲気が気に入った 事務手続きの
流れが丁寧・親切で病院のクオリティーの高さを
感じた。面接した先生も静かに・的確に・意見を
述べてくれた。興味のあったブラキセラピー、
IMRT、その他各治療法について大変判り易い
説明をされた。
僕の病期・年齢を考えると うーーーんやはり
全摘手術が最善か?迷う
以前から気になっていたインターネット掲示板の「ひげの父さん」に
相談してみる事にした。ひげの父さんの見解では僕のグリソン値
では「経過観察療法」 が妥当とのアドバイスを頂く。
早速、経過観察の妥当性をガンセンターの先生に相談 した処、
臨床病気期判断の精度を高めたい為に再度生検を勧められる
その場で納得して1月19日に生検予約をとる
二度と受けるまいと思っていた生検を・・・

セカンドオピニオン

 
2008年11月26日  独協医大にて最終的な臨床病期の診断が出された

臨床病期とは、手術前の様々な検査から予測される癌の状態 (悪性度・進行
度)の事で、僕の場合グリソンスコア3+3=6高分化癌 (比較的性質のおとなし
い癌)であり、先日の検査結果からは転移は 無いであろうという予測の元に
T1C0M0という判定だった。 既にNet・書籍で情報は得ていたので、この説
明をすんなり理解する事 が出来た。問題は治療方法である 特にT1cM0N0
というステージでは治療方法に選択肢が多すぎる、それぞれの治療方法にはそれぞれの後遺症、副
作用のリスクがつきまとう。前立腺癌は進行が非常に遅いという事は明白なので、ここはセカンドオピ
ニオンを受けたい・その旨を

主治医に伝えた所、実に気持ち良く承諾してくれた。検査データーを全て貸し出してくれるとの事で、
 後日揃えて頂いた画像・生検プレパラート・等を 持って県立ガンセンターを訪問する事にする 

検査の日々


2008年11月17日

がん細胞が見つかってから一週間後に転移の有無を調べる検査が開始された

CTスキャン・骨シンチ検査(MRI・エコー検査は既に撮影済みであった)

検査室待合室は癌が確定された患者のみに選別されるので

放射線の器具類の発する低周波音のみの不気味な静けさに包まれていた

始まり


2008年11月の良く晴れた仏滅の日、僕は「癌」の告知を受けた

「 20本の生検針の中から2本悪性腫瘍が見つかりました 」

医師の感情移入の無い簡潔な説明だった
幾度と無く同様な告知を続けて来たベテラン医師ならではの
冷静で温かみのある語り口だった
同席していて後ろに立つの妻の事を思った
その顔を見るのが怖かった もしや泣き崩れているのでは・・・
診察室を出るや否や妻に話しかけた
「 感想は?」 意外と妻は気丈夫であった

「大丈夫だからね 絶対 治るよ」

その一言に救われた

以下(病状詳細説明)

事の始まりは2年前、会社の健康診断によるPSA検査からだ
診断結果と共に同封された紙面に(PSA6.1前立腺癌の疑いあり 要精密検査)
と印刷されていた。これは何かの間違いだ 再検査すれば判る事だ
以前、糖尿を指摘された時もそうであった。再検査にて陰性 無罪放免となって
いたので 高をくくっていた。しかし、再検査を受けた宇都宮市内の泌尿器科
専門医院での 診断ではやはりPSA値は5.7 の「やばい」値だった
その後3ヶ月おきの検査が続いたのだがその間PSA値は 5.7 > 5.2>と
横這いを 続け、医師からは経過観察してみて数値が急激に上昇するので
あれば生検を実施 してみよう との治療方針が定まった。その間セルニトロン
錠を飲み続ける

2008年5月 会社の健康診断にてPSA9.7に上昇、周囲の勧めで
独協医大病院にて検診、再度の検査にてPSA9.39 主治医の勧めにて生検
を決意する

2008年10月 独協医大にて一泊二日にて生検 病棟の処置室にて両足を
広げる台座のついた椅子に固定され下腹部をカーテンで庶った状態にて
開始、局所麻酔の注射までは楽勝ムードであったが、検査針一打目から
激痛が走る。看護婦さんが手を握ってくれたまでは   「ラッキー」 しかし、
もう目をつぶり歯を食いしばり看護婦さんの手の感触を楽しむ余裕は皆無
だった 検査針を打ち終え病室に戻った途端に激しい尿意を覚えて尿瓶に
放尿、驚く程真っ赤な血尿だった  その後2時間 3分おきに尿意を催し
血尿が続いた 翌日は、尿意は普通になったが血尿は相変らずのまま退院と
なった 費用合計59600円
翌日から通常の仕事に復帰した しかし、血尿は色は薄くなりつつもその後
2ヶ月続いた。今回僕が受けた生検は会陰部生検という方法で、肛門と陰嚢
の間から針を打ち込む方法だ。その他には直腸から針を打ち込む直腸生検
がある(後にこの生検も経験する事になる)